日本文学報国会による委嘱作品
「女の一生」
―戦時下の初校版完全上演―
作:森本薫
演出:川口典成
2019/11/6-10 @上野ストアハウス
生まれてすぐに母を失い、戦争で父を亡くした一人の少女――布引けい。時代の波に乗って一時代を築く貿易商の一家へと流れ着いた彼女は、持ち前の明るさと好奇心の強さで、変わり行く時代のなかを育ち、みごとに生きて行く。「誰が選んでくれたのでもない、⾃分で選んで歩きだした道ですもの。間違いと知ったら⾃分で間違いでないようにしなくちゃ」この名ぜりふに込められたニッポンの精神は、いったい何を焚きつけ、そして何を忘却させてきたのだろうか。
戦時下の国策プロパガンダ組織である日本文学報国会による委嘱作品――1945年4月に空襲のさなかに上演された――森本薫『女の一生』初稿版の上演を通して、現在のニッポンの姿をあぶり出す意欲作。
日時
2019年11月6日(水)~10日(日)
11月6日(水) 18:30
11月7日(木) 18:30
11月8日(金) 13:00/18:30
11月9日(土) 13:00
11月10日(日) 13:00
出演
内田里美
丸尾聡
田辺誠二
鈴木ユースケ
岩崎聡子
川邊史也[劇団銅鑼]
平田朝音[劇団俳優座]
海老沢栄(人形遣い)
鎌内聡
篠崎旗江
辻村優子
宇治部莉菜
城田彩乃
大原富如[ユトサトリ。]
スタッフ
美術:アセファル・アーキテクチャ
照明:榊美香(有限会社アイズ)
制作協力:日ヶ久保香
宣伝美術:片山中蔵
協力:劇団俳優座、劇団銅鑼、ダブルフォックス、ワンダー・プロ、演劇ネットワーク@丸尾、ゆーりんプロ、株式会社MC企画、ユトサトリ。
主宰:ドナルカ・パッカーン
舞台写真
撮影:三浦麻旅子
稽古場ブログ(note)
森本薫『女の一生』 森本薫『女の一生』についての記事をまとめています。
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- ドナルカ・パッカーン『女の一生』戦時下の初稿版完全上演 情報掲載媒体まとめon 2019年11月13日 at 1:59 AM
新聞掲載※朝日新聞10月31日夕刊に公演記事が掲載されました→朝日新聞DIGITAL続きをみる
- ドナルカ・パッカーン『女の一生』戦時下の初稿版完全上演 公演写真 撮影:三浦麻旅子on 2019年11月7日 at 1:48 AM
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- 今回上演する初演版完全上演の「底本」は?on 2019年11月5日 at 6:10 AM
森本薫の台詞・世界の奇妙さについて(2)具体例を書いた際に、演劇研究者の日比野啓氏よりTwitter上にて指摘がありました。初稿版は『シアターアーツ』掲載のものでしょうか。だとすると、みなもとごろうが「専門家による高度の筆跡学や文献学的な処理を経なければ不可能である。しかし、今はその用意がない」と書いている点についてどう処理されたのか気になります。 続きをみる
- 森本薫の台詞・世界の奇妙さについて(2)具体例on 2019年11月3日 at 2:07 AM
前回の記事で森本薫の台詞の人工性・虚構性と、そこに描かれる感受性について書きました。今回はその「奇妙さ」の具体例を2つほど挙げて解説をして行きます。句読点の位置の奇妙さ続きをみる
- 森本薫の台詞・世界の奇妙さについてon 2019年10月16日 at 6:47 AM
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『女の一生』の幕構成がどうなっているのかを整理しながら、なぜ『女の一生』という回想の物語が、日露戦争の旅順陥落から始まるのかについての考察をしてみます。まずは(1)では『女の一生』の幕構成と、あわせて舞台となっている堤家の商売について説明します。『女の一生』の幕構成について(初稿版)続きをみる
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ドナルカ・パッカーンでは森本薫『女の一生』の初稿版を2019年11月6日~10日に上野ストアハウスにて上演します。そもそも森本薫『女の一生』初稿版とはなんなのでしょうか? なぜいまドナルカ・パッカーンはこの戯曲を上演するのでしょうか? こちらのnoteでさまざまに書いていきたいと思います。今回はイントロダクションです。そもそも森本薫『女の一生』とは?続きをみる
※朝日新聞10月31日夕刊に公演記事が掲載されました→朝日新聞DIGITAL