ドナルカ・パッカーン令和八年公演第二弾
つかこうへい『出発』

ドナルカ・パッカーン
令和八年公演第二弾

出発

作:つかこうへい
演出:濱吉清太朗(紙魚)
ドラマトゥルク:川口典成(ドナルカ・パッカーン)

中野テルプシコール
2026年7月30日(木)~8月2日(日)

終演しました
ご来場いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

よくある話かもしれない。
よくある話のおとうさんかもしれない。
でもあんまりそれじゃあ、おとうさんがかわいそすぎます。
だから僕は言ってるんですよ。
おとうさんの蒸発をね、
あくまでスウコウなものとしていくためには、
僕たちもそれ相応の心構えをしなきゃいけない。
そう言ってるだけです。

つかこうへい『出発』は、父親の「蒸発」を、何かしら劇的な事件に仕立て上げようとする家族の物語であり、大正・昭和期に活躍した作家・菊池寛『父帰る』を、つかこうへい的に変奏した作品と言えます。
とある大物演劇人は『父帰る』を観る感動を、「常識的感動」と評しました。つかこうへいは、この「常識的感動」に、全身で拳を打ちつけているようです。
今回、演出に紙魚の濱吉清太朗さんを迎え、ドナルカ・パッカーンの川口典成はドラマトゥルクとして本作に関わります。ドナルカ・パッカーンの新たな取り組みに、ぜひご注目ください。

ドナルカ・パッカーン 川口典成

「なぜこの⼈はこの物語/⾔葉を書いてしまったのだろうか」
私の創作はいつもこれが起点となります。
つかこうへいは何故、こんなハチャメチャな物語を書いたのか。そこになにを詰め込みたかったのか。何を観客に⾒せたかったのか。
つかこうへいは家庭劇をあまり書かない劇作家でした。今作はそんな彼が書いた希少な家庭劇の⼀つです。在⽇韓国⼈⼆世として福岡の炭鉱町で⽣まれ育った彼は「きわめて正確このうえない⾷卓である。」というト書きからはじまるこの東京を舞台にした「⽇本⼈」の家庭劇を書くことで何が⾒たかったのか。
改訂版の前書きで彼は今作を「⽇本⻑男物語」と呼びました。演劇を使って⽇本の全てを飲み込もうとした彼は、今作で⽇本の「何を」飲み込もうとしたのか。
そんなことをグルグルと考えています。
この厄介な物語に粘り強く向き合ってくれるキャストとスタッフが揃いました。
私たちが 2026 年の東京でこの物語に何を⾒たのか、是⾮ご覧いただけますと幸いです。

紙⿂ 濱吉清太朗

演出家プロフィール
濱吉清太朗
演出家・紙魚主宰・日本演出者協会理事。2001 年生まれ、静岡市出身。2021 年、演劇創作集団「紙魚」を立ち上げる。以降「紙を食べる虫である紙魚(しみ)のように古今東西の戯曲や書物、記録を咀嚼し明日の栄養にしていく」ことをコンセプトとした創作活動を行う。2022 年、日本最大級の演出家コンクールである『演劇人コンクール』にて一次上演審査通過、最終上演審査進出(公演中止)。2024 年、日本大学芸術学部演劇学科卒業。日本では珍しい劇作を行わない専業的演出家として活動している。主な演出作品に『ハムレット』『I Do! I Do!』『劇的なるものをめぐってまごつく二人』がある。2024 年、中国の成都国際演劇祭にて『人形の家』を上演。また、『ハリー・ポッターと呪いの子(TBS/ホリプロ)』や静岡舞台芸術劇場(SPAC)、オペラ等で演出助手としても活動している。


キャスト

⽗  キム・セイル[世 amI]
⺟  布施安寿⾹[SPAC]
⻑男 丸林孝太郎
嫁  ⾦井由妃[劇団⺠藝]
弟  ⻑⾕川光
熊⽥ 髙⼭春夫

スタッフ

演出:濱吉清太朗[紙魚]
ドラマトゥルク:川⼝典成[ドナルカ・パッカーン]
照明:QIN LIBIN
⾐装:押川彩乃
写真撮影:三浦⿇旅⼦
映像撮影:⽶⽥浩章
ウェブ制作・宣伝協⼒:⽥中寛⼈
美術協⼒:海⽼沢栄
票券:⻑尾敦
宣伝美術:⽚⼭中藏
協⼒:紙⿂、SPAC、世 amI、劇団⺠藝、株式会社 GREEN BRUSH
主催:ドナルカ・パッカーン


日時

2026年7⽉30⽇(木)〜8⽉2⽇(⽇)

7⽉30⽇(木) 19:30
7⽉31⽇(金) 14:00 / 19:30
8⽉1⽇(土) 13:00 / 18:00
8⽉2⽇(⽇) 13:00

受付開始・当日券販売は開演の 45 分前、開場は開演の 30 分前
上演時間:100 分(予定)

場所

テルプシコール

〒164-0001 東京都中野区中野 3-49-15-1F
JR 中野駅・南口改札を出て右方向の線路沿いの道を、高円寺方面へ直進、歩道橋を過ぎたあたりにあります。

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チケット

チケット料金 [全席自由・日時指定]
予約・当日精算 4,800 円
当日券     5,300 円
U-30 (30 歳以下・枚数限定) 3,500 円

チケット取り扱い:ドナルカ・パッカーン
WEB:https://ticket.corich.jp/apply/457904/
Email:ticket@donalcapackhan.com
TEL:090-1016-7092
※メール・お電話の場合、お名前、ご来場回、枚数をお伝えください。折り返しご連絡させていただきます。


舞台写真

撮影:三浦麻旅子

公演特集(note)

  • つかこうへい『出発』@中野テルプシコール 主宰・ドラマトゥルク 川口典成挨拶 新たな「つか劇」の種を探して
    2026年7月1日 に 1:48 AM に

    つかこうへいの戯曲を読むことは、案外難しい。テキストだけを読んでいるつもりでも、気づけば私たちは「つか劇」を読んでしまっている。戯曲を読むとき、私たちはつねに、何かしらの演劇観や演技観を通して読んでいる。ただ、つかこうへいの場合、そのことがとりわけ顕著なのである。テキスト自体を読む、というよりむしろ、つかこうへいの「劇的さ」というイメージのフィルターを通して読んでいる、読んでしまっている。続きをみる

  • ト書きで読む、つかこうへい『出発』
    2026年7月3日 に 1:21 AM に

    つかが来て『戦争で死ねなかったお父さんのために』を持ってきたんだよ。「これを鈴木さんに渡してくれ」って言うわけ。「つかって知ってますか?」「知らないよ」「これ読んでくれって言ってるんですよ」ってことで読んだんですよ。そしたらね、おもしろかった。なにがおもしろかったかっていうとね、ト書きがひとつも書いてない。つまりね、全部セリフで書いてあるわけ。いろんなヤツがね……別役(実)もそうだし、唐十郎もそうだし、僕に演出しろっていうことで、小田島雄志も『ハムレット』とか書いてきたり、佐藤信だとか、いろいろ台本もらうんだけど、みんな装置が書いてあったり、ここでこう動くとかね、芝居にあてて書いてる。でも、つかのはそれが一切書いてない。 鈴木忠志インタビュー「卜書きなき舞台を生きた男」『つかこうへい追悼総特集』文芸別冊vol.1 きわめて正確このうえない食卓である続きをみる

  • つかこうへい『出発』 なぜ濱吉演出なのか
    2026年7月7日 に 10:45 AM に

    今回、演出に紙魚の濱吉清太朗さんを迎え、ドナルカ・パッカーンの川口典成はドラマトゥルクとして本作に関わります。私(川口典成)が濱吉さんに演出をお願いしたのは、『出発』という戯曲を、既存の「つか劇」のイメージから一度解放し、テキストそのものから舞台を立ち上げてくれる演出家だと見込んだからです。続きをみる

  • セリフで読む、つかこうへい『出発』
    2026年7月10日 に 10:45 AM に

    だいたい今の役者は小汚ない燕尾服着てりゃあゴドーさんが来るとたかくくってる。臭くってゴドーさんじゃなくても誰も寄りつきゃしませんよ。……まず台詞が吐けない。これで血が吐けますかってもんだよ。言うことっていったら、ゴドーさん来て! ゴドーさん来て! みっともないったらありゃあしない。昔の人はサラサラサラ三十一文字、来てくれの一言が言えないばっかりに。風情というものがあったんですなあ。そうなりゃゴドーさんだって、行ってやろうよ、行こうじゃないか、そういう気になりますよ。……それを、ゴドーさん来て! って叫ばれたりしたら、誰が行ってやるもんかってムキになるのが人情ですよ つかこうへい「松ケ浦ゴドー戒」vol.1 ユリシーズ続きをみる

  • 【対談】川口典成×濱吉清太朗|なぜ今、つかこうへい『出発』なのか
    2026年7月21日 に 10:50 AM に

    なぜ今、つかこうへい『出発』を上演するのか。そして、どのように読み、舞台へ立ち上げようとしているのか。ドナルカ・パッカーン主宰・ドラマトゥルクの川口典成と、演出を務める濱吉清太朗が、作品選定の経緯から戯曲の読み方、台詞の扱い方、演劇の歴史、そして演出家の役割まで、今回の創作について語り合いました。続きをみる

  • つかこうへい『出発』 演出家の稽古場レポート
    2026年7月26日 に 10:40 AM に

    1ヶ月半の稽古期間はあっという間に終わりを迎えようとしています。演劇創作は、さまざまな年齢のさまざまなバックグラウンドを持った人たちが集まり同じ言葉を長期間囲む点に魅力があります。今回も例に漏れずそんな創作現場です。釜山出身で演技トレーナーや演出家としても活動されているキム・セイルさん、宮城聰さんの劇団ク・ナウカとSPAC所属の布施安寿香さん、元々映画畑で活動していたけれど最近は演劇への出演が多い丸林孝太郎さん、劇団民藝所属の金井由妃さん、ダンスも踊れる長谷川光さん、早稲田小劇場出身で退団後は蜷川幸雄さんの作品にもご出演されていた高山春夫さん。並べてみただけでも中々のバラバラ具合です。バラバラの出自、ということはそれぞれが慣れているやり方も異なる訳です。そのそれぞれのやり方のぶつかり合いがまた創作の面白さでもありました。続きをみる

  • 『出発』を当事者性から読み直す――つかこうへい批評への応答
    2026年7月29日 に 1:30 PM に

    『出発』は、つかこうへい作品の中でも、『熱海殺人事件』や『蒲田行進曲』ほど繰り返し上演されてきた作品ではない。しかし私は、この作品が初期つか作品を考える上で、重要な位置を占めているのではないかと考えている。『出発』で蒸発した主人公は岡山八太郎という。この名前は、つかこうへいのデビュー作『戦争で死ねなかったお父さんのために』の主人公と同じ名前である。そして、その間に書かれた『熱海殺人事件』で殺人犯として仕立て上げられる人物の名は、大山金太郎である。岡山八太郎、大山金太郎、そして再び岡山八太郎。この反復の中で初期つか作品を読み返してみると、一つの問題系が横たわっていることがわかる。つかこうへいは1948年、福岡県筑豊に在日朝鮮人二世として生まれた。その出自は、つかこうへい論において繰り返し論じられてきた問題でもある。扇田昭彦は『日本の現代演劇』において、つか作品に現れる支配と被支配、加虐と被虐の関係を、「在日」体験に由来する差別意識と被差別意識の反映として読んでいる。また、「つかこうへい」という筆名を「いつか公平」に由来するという説とともに、つか本人が「ぼくはいつも虐げる人間と虐げられる人間を描いてきたから、そう受け取ってもらっても構いませんよ」と、つか自身が語ったことを紹介している。このような読みは、つか作品を理解する上で一定の説得力を持ってきた。作品に繰り返し現れる周縁の人物や、支配と被支配をめぐる構図は、作者自身の経験と切り離して考えることが難しいからである。続きをみる

  • つかこうへい『出発』 舞台写真 撮影:三浦麻旅子
    2026年8月8日 に 9:01 AM に

    続きをみる

対談 川口典成 × 濱吉清太朗 YouTube

外部メディア掲載

ステージナタリー
ドナルカ・パッカーンがつかこうへい「出発」を紙魚・濱吉清太朗の演出で

公明新聞 紙面・デジタル版
(短信) ドナルカ・パッカーン「つかこうへい『出発』」

2026年7月に観たもの! – タイトル未定(演劇系ポッドキャスト)
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ドナルカ・パッカーン

来るべき民主主義社会において求められる、構成員相互の健全な「敵対性」を涵養するために、演劇的力能を最大限に行使することを目的として活動を開始したドナルカ・パッカーン。現在は、日本における演劇と戦争の蜜月にあった「歓び」を探求し、資本主義/新自由主義リアリズム演劇によってこの世界を再現しようと試みている。

ドナルカ・パッカーンとは

ドナルカ・パッカーンの活動への支援について

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