ドナルカ・パッカーンとは

来るべき民主主義社会において求められる、構成員相互における健全な敵対性を涵養していくために、演劇的力能を最大限に行使し、同質性とは別の「異質の演劇」を志向する、ピーチャム・カンパニーの川口典成が立ち上げた演劇実験場のこと。現在は、日本における演劇と戦争の蜜月にあった「歓び」を探求している。

川口典成プロフィール:1984年、広島県生まれ。東京大学思想文化学科宗教学宗教史学専修課程、卒業。同大学院宗教学宗教史学、修了。ピーチャム・カンパニーの代表・演出として活動。2011年10月に東京タワーの目の前に位置する芝公園にて、フェスティバル/トーキョー11公募プログラム参加作品として野外公演『復活』(脚本:清末浩平)の上演を行った。続く2012年に原子力時代の想像力を問う三島由紀夫原作『美しい星』を演劇化。2015年には再び小説『美しい星』の哲学問答部分を抜き出し『対話篇 美しい星』を上演。現在ピーチャム・カンパニーは、日本演劇における言語と政治・権力のあり方を見つめ直すため、演劇上演を無期限に休止。川口個人として演劇実験場であるドナルカ・パッカーンを立ち上げ、日本における演劇と戦争との蜜月にあった「歓び」を探求し、2017年7月には森本薫の国策放送劇『ますらをの伴』を上演した。外部演出として、2015年に『ザ・モニュメント 記念碑』(作:コリーン・ワグナー)を演出、2016年に江戸糸操り人形の一糸座の『長靴をはいた牡猫』(原作:ルートヴィヒ・ティーク)にて脚本・演出・出演。演劇上演という場における「同質性/異質性」の表れを通じて、共同体における「召喚/排除」を思考する演劇活動を行なっている。

© 2022 ドナルカ・パッカーン

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